2016/08/29

境目の果てへの道

以前【廃線による隠れ鉄道博物館】の記事で、

香港の境目にある沙頭角まで足を伸ばしたことをおぼえている方

いっらしゃるかと思います。

元々「中英街」という国境にある街を探索しよう計画したのですが、

結局失敗終わってしまいました。

せっかくの経験ですので一部始終を紹介したいと思います。

「中英街」に行くには上水、粉嶺からKMBバスの78K番か、

緑のミニバスの55Kに乗車、いずれも行先は「沙頭角」と表示されています。


初めのうちは車外の景色はもそれほどかわり変わりませんでしたが、

道を少しずつ進んでいくと、周辺の建物が減り、

次第に緑がふえてきました、完全に田舎といってもいいでしょう。

そして、大きな工場も、

2階建てバスの2階から外をのぞいてみると、

壺が大量に置かれている工場用地がみえました、

推測になりますが、調味料の工場の可能性が大です。

香港の田舎とはいえ、広い敷地の工場が目の前にあることだけで、

やっぱり不思議な風景と感じます。


道をどんどん進むと、

とにかくレトロな建物が次々と両サイドにしばしば現れます。

放置されているものもありますが、


中にはまだ現役バリバリのレストランも、

このスリル感満点の入口にひかれて、

次回はぜひとも入ってみたいと決めました。 


しばらくすると、両サイドの建物が減り、

森に突入したような道のりに、

やがて2012年2月15日までは

立入制限区域であった場所の関門に到着しました。

昔は、駐在する警察官によって

車や乗客の検査が行われていましたが、

立入制限の解除により、現在警察官の影はまったくありません。

実は関門の手前に学校や病院もあったのですが、

こちらもやはり人の気配をそれほど感じませんでした。



バスが関門を越えて5分ほど走ると、

まさに沙頭角の果てである「中英街」が見えるようになりました。

分かれ道を左へ進めば、中国へのイミグレーションにたどりつけますが、

バスは右の道を進みました。


「中英街」の手前に、こちらは現役の関門があって、

警察官が何人か駐在しています。

バスに上がってくる警察官に身分証明書を出してくださいと言われたので、

指示をしたがったのですが、5分もかからないうちに

バスから降りろと指示されてしまいました。

原因は制限区域の立入許可書を所持していませんためです。

恐らく「中英街」の住民や仕事の関係で出入りする人は、

日頃から持ち歩いているものと思われます。


やむなく「中英街」の取材を断念し、

ここにバス停がないため、

来た道に沿って戻るしかありません。

それでも、普段この周辺を散策することはめったにないので、

じっくり見てみようと決めました。

制限区域の手前にある建物や看板をこんな近距離で見られるのは初めてです。

一人だけ降ろされたものの、特に変な視線を浴びられることもなく

しばらく写真撮影に専念しました。




実はバスでくるときに気になってた建物がありました。

戻る途中にも見かけたのですが、

多少古い感じものの、ごく普通の田舎の民家とばっかり思っていました。

ところが後で調べてみたところ、

ここから海沿いに進むと、

300年もの歴史がある村落がいくつもあることがわかりました。

今まで知らされてない村落もあって、ぜひいつか行ってみたいですね。



村落の入口をあとにして、来た道に沿って戻ります。

途中で【廃線による隠れ鉄道博物館】の記事でご紹介した農場を通過。

ここにあるバス停を抜けると、

再び森に囲まれている道になります。

日頃もありますし、車の量も思ったより多くて、

決して一人では歩けない道です。

途中にはこのような屋根のついた休憩所もあり、

ぶらぶら分には、特に苦はなりませんでした。



関門から20分程度歩いたところで、バス停を発見しました。

バスやミニバスが頻繁に来ているので、

それほど待たずにすぐ乗車して上水、粉嶺に戻れます。

廃止された関門に興味ある方は、

そのまま道に沿って歩くこと10分程度でたどりつけます。

そこのバス停を利用すれば、

問題なく同じバスで街に戻れます。

本当にとてつもない田舎の風景ばかりですが、

今まで立入制限されたエリアでもあり、

そこに漂う神秘的な匂いがたまりませんね。
  

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