皆さんもご存知する『美荷楼』ですが、
この手の設計は香港最初の公営住宅団地の模様です。
しかし、当初の団地の部屋にはキッチン、お手洗いがありません。
全てがフロアごとで共有されています。
頑丈な屋根の下で暮らせるとは言え、
衛生面や住民の間によるトラブルが多発することも相次いだ。
まさにここ『勵德邨』が現代公営住宅団地のパイオニアです。
部屋内で生活するための台所やトレイなど施設も揃われて、
浴室に浴槽まで設けられてる部屋もあります。
その上、銅鑼灣までのわずかな距離という立地、
ほとんどの部屋からビクトリアハーバーの眺めも堪能できるから、
完成した頃、
香港の最も家賃高い公営住宅団地になった理由もわかります。
今年落成43年目に突入したところで、
小さい頃からずっと憧れた団地へようやく初探索しに行ってきました。
とにかく一般の団地の感じをしない作りがあっちこっちにも伺えます。
40年以上建てたのに、
そこまで老朽化には見えません。
お店がわりと今どきな風のチェーン店が多いですが、
たまに老舗も見当たります。
残念なことは規模ある「街市」はないです。
外観ですが、
最初完成したこちら【旧長型】作りの4棟ですが、
香港の王道団地の様子とはほとんど変わりません。
また、壁の色が塗り替えたばっかりと取材当日でわかりました。
幸い、今回取材ターゲットになる【円筒形】の二棟ですが、
一回目の塗り替えた色のままで見れます。
【円筒形】の棟の作りですが、
上空からはメガネ形に見える昔から話題に、
さすがにドローンを持っていませんので、
撮影することができません。
地下のこの角度から見上げると、
メガネ形の説明もある程度納得してくれるでしょう。
ずっと外から部屋の中の様子を伺おうとしながら、
住民たちの生活ぶりを想像してたが、
やはりこの設計の部屋内に住んでる友達もいないので、
入って取材することができません。
誰か友達に住んでる人がいましたら、
ぜひ紹介してほしいぐらい取材したいです。
部屋には入れないが、棟内には入れました。
せめてこのハリウッド実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』をはじめ、
香港を代表する映像の一つの聖地をみたいため、
【技あり】で潜入できました。
入ってから瞬間に早速この定番のショットを撮りました。
中央の階段を少々登り上がってみると、
鳥肌を立たせてくれる風景ばっかり見れます。
現実ではなく、
ミニチュアの世界に飛び込んだ感じもします。
色使いから距離感まで、
団地ではなく、芸術品にも見えます。
一応住民ではないので、
写真を撮るには迷惑を掛けない程度でウロウロしてました。
年代を感じる漢字フォントと言葉使いです。
団地で育てられた私にはたまらないぐらい懐かしいです。
些細なことですが、
これから本当に見れなくなる風景です。
頂上まで目指し少し登っていくと、
家の窓が全開したままの住宅を発見した。
80年代にはごく普通の団地風景ですが、
今になると、貴重な一枚になります。
そこから近所付き合い、距離感のない助け合いが生まれて来ます。
まだまだ暑い時期で、
時間もそれほど余裕はないため、
途中エレベーターに乗り換え、
一気に最上階に近い階から降りて、
ゴールまで登って行きます。
階段から外に隣の棟が既に塗り替える工程の準備をし始めています。
よいタイミングが来たと実感しました。
そして、気力を振り絞って、
この趣にある階段で一歩一歩上がって行きます。
確か最上階は27階ですが、
実は屋上にある秘密が隠されています。
住民以外はおそらく知ってる人が少ないはず。
階段からもビクトリアハーバーが見れますが、
如何に贅沢な立地にあるか実感できます。
待ちに待った屋上です。
なんと休憩できる公園の作りになっています。
柵越しで海岸の景色がはっきり見れます。
ベンチや子供が遊ぶ施設も充実しています。
ここが屋上なんで信じられないぐらい実用されています。
ハーバーで花火大会の時はもちろん、
普段でもよく利用されてると思います。
取材当日、服干したり、二胡弾く人も発見できた。
ゆっくりと日常生活の時間が過ごせて、
都会の中とかかわらない団地動きがここでみつかります。
屋上を後にしたら、
再びに26階に戻り、
このずっと撮りたかったショットを激写しました。
高度恐怖所を持ってるではないが、
カメラを伸ばして撮影する時に、
手の震えが止まらなかった。
どれだけ迫力ある画面か知って頂きたいです。
この階から屋上といっぺんに収めることができます。
そうすると、
手すりの低さもわかると思います。
撮影したい方には十分の注意を払ってください。
また、真下に人の行き来が頻繁ですので、
絶対ものを落とさないでください。
この合計8棟、三つ部分に分かれ、
命名の「勵潔樓」、「德全樓」、「邨榮樓」の頭文字で、
『勵德邨』となります。
ちなみに、
当時植民政府公共事業局長の【Michael Wright】さんの功績を称えるため、
『勵德邨』という名付けをしたわけです。
この唯一無二でありながらアートのような公営住宅団地ですが、
現在と比べても劣ることなく、
むしろこちらの方が斬新で快適です。
団地作りが進化して行くはずと思われてるが、
実際そうでもなかった。
ひょっとしたら、後退しつつであるでは?
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